第二部 〜忙しい日〜

本日のスケジュール
■ 10:00〜 「国立オペラ座 芸術監督」訪問・打ち合わせ
■ 10:30〜 「   〃   ディレクター」訪問・打ち合わせ
■ 11:00〜 「   〃   副支配人」訪問・打ち合わせ
■ 12:00〜 「   〃   舞台監督」にオペラ座内を案内
■ 14:00〜 「芸術文化省大臣」訪問・打ち合わせ
■ 15:00〜 現地新聞の取材

   
2日目、今日より早速本題に入る。ホテル横にはすぐオペラ座が見える。立派な建物だ。オペラ座には歩いて訪問。まずは芸術監督のエミール氏に会う。
エミールさんは国立バレエ団の振付・指導をされていていわばバレエ団の監督をされている方である。
そんな方に、会うなり絶賛の誉め言葉を頂いた。というのも、訪問の一ヶ月ほど前に ワクイバレエ団のプロモーションビデオを送っていて、それを見ていただいたらしい。 エミールさんいわく「うちの団員・生徒は皆興味を持って見にきた。プライドの高い彼女達 が同じバレリーナをなかなか評価することは無いが、認めざるを得なかった」と・・・。 なんともホッホッホッ(~_~)である。
そして続けざまに「いつポーランドで公演をやるのだ?日にちは?プログラムは?」 ・・・あまりの突然の出来事に面食らった我々は即答できず、戸惑ってしまった。
その後いろいろな話をお聞きした。中でも「ポーランドは今経済があまり良くない国で、バレエ人口も減っている。 日本は盛んでうらやましい」とのこと。「それでもしっかりとこの芸術を残していきたい」とも付け加えられたことが印象に残った。そして明日バレエ学校のレッスンを見せていただけると言う約束を最後に部屋を後にした。
次はディレクターのスタイニスロ−(ポーランド語が読めないので多分こんな感じ)氏に会う。この方は公演を開催
するにあたっての企画や構想を担当する。 スタイニスロ−さんもこの企画を高く評価していただき実際に進めていこうと言う。我々もこの時点で「真剣に 検討しなくてはいけないな」と思い始めた。

そして副支配人(後にオペラ座最高実力者であることがわかる)のボイヤーさんを訪問。やはりこの方も熱烈歓迎 で具体的な日にちの指定までしていただいた。いずれにしても来年の6月あたりが季節的にも良く、日程を空けて おくとのこと。 「みんながみんな何て気の早い人たちなんだ・・・」と思いながらも、よくよく考えればこんな人達が会ってくれるということは、あいまいな訪問ではなくオフィシャルな訪問だということ。オペラ座側にしてみれば 「わざわざ日本から出向いてきてるんだから当然そちらもその心構えでしょう」ということ。もっともです。 さあ、それじゃいっちょやりましょか!・・・しかし答えはそう簡単には出ないのである・・・

その後舞台監督のオルジードさんにオペラ座内を一通り案内していただいた。 オペラ座の舞台はすごい〜の一言!舞台は60メートルの奥行がありヨーロッパ でも1番らしい。床は9メートルもの高さまで持ちあげることも可能。
客席も円形で4階まである。「こんな舞台で踊れたら(満員)最高の幸せなんだろうな〜」と、踊ることの 出来ない私でも思った。
またロビーもすごい。衣装の展示や彫刻、絵画・・・まるで総合の博物館のよう。また、ここではダンサーが使用する衣装やシューズすべてをオペラ座内で作られている。 それもそのはず従業員の数は1080人。
これでも全盛期に比べると500人近く減ったらしい。しかしそれだけの 人数を維持できるだけの興行がなされているのか?
実は劇場の維持費の内6割は国が負担しているという。 先にも書いたが、ポーランドの経済状況は決して良くない。 しかしそんな中でもこれだけ国が芸術に対して支援するということは日本ではとうてい考えられないこと。
「まだまだ日本の芸術はヨーロッパの足元にも及ばないな〜。」とつくづく感じたオペラ座でした。

次の訪問先は芸術文化省。海外文化局長のアンナ・ニエヴイアドムスカ氏に御挨拶。アンナさんは実質ここポーランドの芸術文化交流 の全権限を持つ女性で、実は「名古屋バレエコンクール」の主宰者でもある。だから日本のバレエにも詳しい。ここでは涌井先生が代表して御挨拶。密かに日本から用意した打掛をプレゼントすると大変喜んでくれた。
彼女もポーランド公演を全面的に協力するとのこと。具体的に6月18日〜23日の日にちでオファーされた。 これですべての機関が公演を許可することになった。
それにしてもこんな人たちを紹介してくれた緑川さんって何者なんだろう???
ポーランド人は皆日本に対して友好的である。日本ではあまりポーランドという国事体知られていないので、人間のイメージも持たないが、すごくにこやかでやさしい。ついでに女性はメチャきれい。ハンパじゃないよ(^-^)

最後に新聞記者のアダム・チェルシエルスキーさんに取材を受ける。今回の訪問の経緯などを聞かれていたのだろう。
実は席が遠かったのであまり聞いていなかった・・・。
こうして初日の予定が全て終了した。19:00頃ホテルに戻り、皆で食事をし、あわただしい1日が終わった。

明日はバレエ学校を見学して夜からは民族舞踊のリハーサルを見学する。楽しみだ(^-^)

この日の写真

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